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田舎暮らしの楽しみ
独り居


【私も他の人と自分を比べることがあります。そんな時に私は、自分が自然の神々からもらっていいと思える報いより、いつも、はるかに多くをもらっていることを思い起こします。】(第五章「独り居」p169より引用)

「もらっていいと思えるよりはるかに多くをもらっている」という感覚は私にもあります。何もせずにただ自然の中を歩いている時に特にそうです。花だって草だって、あまりにも多く足下に有りすぎるのでとても全てを愛でるのに追いつかない、これほど贅沢に日差しが降り注いでもとても私では受け止めきれない、ぼんやり日向ぼっこするより他にもっと素晴らしい名案など持ってさえいないのだから、と、もう自分がふがいなくてじりじりしてしまう程です。
 それでも私は寒い冬や、暗い夜や、冷たい雨の日には不安になって、人に傍に居てほしくなります。「独り居」を書くソローは何か得体しれない不安なものを闇雲に恐れたりするような無知蒙昧ではなく、それを人との交歓の中で騙し騙しうやむやにしてしまったりすることなく、自分の足でそれらに近づいて行って親しみを持ち、満足してそこで暮らす、という美しい暮らし方をする人です。実は私は夜や冬が怖くって、だからソローの「独り居」にはとても憧れるのです。


更新日:2006-06-27


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