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田舎暮らしの楽しみ
朝の水浴


【森の朝は、どんな天気の朝であっても、軽やかに自然に合わせて暮らしを簡素にしましょう、と私を誘ってくれました。朝が誘う簡素な暮らしとは、自然と同じように天真爛漫な暮らしです。ギリシャ人のように、アウロラを心から崇拝する私は、早起きして湖畔で水を浴びました。日の出の時の池の水浴は、素晴らしく宗教的で、私が森でなした最高に良き行いのひとつです】(第二章「どこで、なんのために暮らしたか」p112より引用)

あまりにも朗らかに高潔な文章なので、この朝の水浴は私自身ついあちこちで試してしまいました。まだ人の居ない時間を見計らい、あちこちの湖や川で水浴びをしたものです。随分寒かったんですが、ソローが「宗教的」という理由は実感として非常によく分かります。毎日森の中で朝の水浴をしていれば人間が悪くなろう筈がない、と確かに思いました。厳格な規律や道徳が人を良くするのではなく、美しいことや気持ちよいことが人を良くする、というこの発想、それも実感を強く伴ったこの発想は、人生をとても楽しいものに思わせます。

水浴というのはなかなか難しいかもしれませんが自然は自分が参加してみて初めて色々なことを語りかけてきてくれる、というのはどうやら真実のようです。ただ黙って見ているよりも、もう一歩踏み込めたら、世界が倍に倍に広がっていくような感覚はあるものです。


更新日:2006-06-28


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