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田舎暮らしの楽しみ
近所づきあい


ソローの本の中の隠れたポイントの一つは「隣の人々と見比べながら自分の問題を決定しようとするととてつもなく問題がややこしくなる」ということだと思います。
どんなことを決めるのでも、周りの人々がするように、ではなく、自分がそうしたいと思うように、しました。
社交についても独特の方法を書いています。

今日でも、田舎へ移住、というようなマニュアルやら体験談やらを見ていると金銭の問題と同じくらい大きく扱われているのが近所づきあいのことに関してです。
煩わしいのではないか、と心配する人が多いのですね。
ソローは収入からいくらを慈善活動に寄付しているのかということまで聞かれたと書いていますから
プライバシー観念のなさというのは今日の過疎地以上なのかもしれません。

ソローは自分を社交好きと書いていますが無駄なお喋りやゴシップは嫌っています。
だからそれらから逃れる為にソローはまず距離というフィルタをおいています。
もっとも近い家から一マイル離れた森の中に家を建てました。
それから自分のライフスタイルというものを全ての人づきあいの土台に据えました。
人を引きつけるような装飾も安楽のための家具類ももとよりありません。
訪問者に食事を出す時にも普段自分が食べている質素なパンとおかゆを出します。
これらのフィルタによって森の家にどういう訪問者がやってくるようになったのかと言えば
ソローと意見の交換をしにやってくる詩人や森の人たち、
村を離れて森を楽しみにやってくる人々だと言います。

一番近い家から三キロ離れたところに住む、というのは色々条件が必要となりますが、
人と交際する時に自分のスタンスを保つ、というのはまったくあっぱれな方法ではないか、と私は思うのです。


更新日:2006-06-27


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