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スローフード
肉を食べる


【彼は肉を大量に食べました。弁当の中身は茹でて薄くスライスした冷肉、それもしばしばウッドチャックの肉でした。コーヒーを保温の良い石のビンに入れて、腰のベルトから紐でぶら下げ、時に私にも勧めてくれました。】(第六章「訪問者たち」p186)

友人であるきこりのセーリエンについて述べています。
「コーヒーを石のビンにいれて腰から紐でぶら下げる」というあたりで思わず身長8メートルくらいの大男を想像してしまって目が点になるのですが、stone bottleって陶器のポットのことではないかと想像します。コルクでフタをして持ち歩いたのではないでしょうか。

ソロー自身は肉もコーヒーも退けましたが、
食べる分の肉を自分で捕り、木を切りながら森に親しんで暮らすこの友人の自立した生き方を野性の象徴として敬っています。

ソローは「一年のうち六週間だけ働く」と書きました。
それは暖かいところで寝そべって野性を眠らせておくためではありません。
与えられた能力である「野性」を十分に生かし成長させながら、
さらに定められた運命からより自由になるために「スピリチュアルな生き方」の為の時間を取っておくということです。
人は猟師になると良い、とソローは言います。
まずはスポーツとしての猟師でよい、まず自分の能力を存分に伸ばすことを覚えること
そして十分に引き出された能力の中でさらに上位の存在になろうと目覚めていくべきだ、としています。

セーリエンについて「私は彼に、物事を精神的に見るようにし向けることはできませんでした。」と言っています。
彼は猟師に留まりましたが、しかし熟練した自然に親しむ猟師でした。
彼が分けてくれたコーヒーをソローは喜んでのんだでしょう。
問題は何を口にするか、という単純なことではなのではなく、
自分を鍛え、自分で選ぶ力を養うことなのですから。


更新日:2006-06-19


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