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スローフード
糖蜜を作る


【私は濃い甘味料が好きで、実験を重ね、カボチャと砂糖大根のどちらからでも、良い糖蜜を作れるようになりました。気軽に甘味料を手に入れたいならカエデを育てれば良いし、カエデが大きく育つまでの間は今挙げた糖蜜を含む代用品がいくつかあります。】(第一章経済p82より引用)

生活にどうしても必要な糖分のお話です。

糖蜜という言葉自体あまりぴんと来ませんが普通糖蜜とは砂糖を作る時に出る液体のことを指します。
ものすごく気を遣わない言葉で言ってしまうと砂糖の絞りかす、というとイメージしやすいです(かすではないんですが)。
豆乳が豆腐の副産物であるような感じで、砂糖の副産物です。
今では食品としてそのまま使うことは殆どないですがこの時代は庶民の甘味料であったようです。
その糖蜜を自分でつくる、という話ですが、この場合は砂糖として結晶化させるまで煮詰める前のシロップ状の砂糖のことをさしています。

カエデから作る場合は幹に傷をつけて樹液を集め、それを40倍ほどの濃度にまで煮詰めます。
砂糖大根は薄く切ってよく煮込み、その煮汁の方だけをさらに煮詰めます。
カボチャについては、甘味料を作るというのは聞いたことがありませんでした。
調べてみたら「味覚人飛行物体」の異名で知られる小泉武夫氏がカボチャを原料に黄色い砂糖を作る技術で特許をとっていらっしゃるんですね。
特許についてはいかなる技術か分かりませんが原理は砂糖大根と同じにひたすら煮詰めたことでしょう。

いずれにしろものすごく大変な話であることは確かです。
家造りや畑仕事、読書や毎日の散歩などにはページを割いて言及しているのですが
かなり時間が掛かったと思われる糖蜜作りについては何も書いていないのがちょっと惜しいな、という気がします。
ソローにとってはどれくらいの手間でどれくらいの成果があるかが問題だったのではなく
「自分の食物に関する限り、商取引や物々交換なしで生きられることを発見」することが大切で
自分がどれくらい生きるための知恵があるのかを知る実験だったのではないでしょうか。

もう一つの生活必需品である塩に関しては
海岸へ旅して手に入れるか、手に入らなければ飲み水を減らす方法を採ると言っています。
そして食品に関する限り「簡素で自立した生活」の可能性を見つけたのです。


更新日:2006-06-19


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