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スローフード
雑草を食べる


【私はトウモロコシ畑の雑草であるスベリヒユを一皿分摘むと、茹でて塩をふり、完璧に満足な食事をしました。】(第一章経済p79)

自然の恵みを、自分の手で自分の必要な分だけ持ち帰って、食べることの気持ちよさ、というのは
自分がどういった世界に取り巻かれて暮らしているのかを感覚の深いところで知るという安心感であるように思います。
ソローの言う完全に満足というのも、味に対する感想というよりも
自分で選んだ暮らしに対する全面的な肯定なのではないでしょうか。

鉄道がもたらした交通革命によって
遠くから珍しい物が大量にコンコードの村に持ち込まれるようになりました。
始めに人々は珍しさゆえにそれを欲しがります。
それから互いに隣の暮らしを見ながら、より多くを欲しがるようになります。
それを買う為にはお金が必要になり、人々はお金を稼ぐ為により多く人生を費やさねばならなくなりました。
村の人々の生活が自立を失っていくのをソローはじっと見ています。

ソローは刺激を退けました。
味覚を刺激する紅茶もコーヒーも香辛料も使いません。
食事に変化をつける為の目新しい食べ物のことも考えません。
より多く欲しがることよりも、より少なく持つことを考えてみました。
そうして足下のスベリヒユを摘んで食べたのでしょう。

実はこれを読んで単純に「スベリヒユが食べたい」と思って、
山菜図鑑で調べてみました。
私の住む北海道にも自生しているということまでは確認できたのですが、
現物は探し当てることができなかったので未だに味はわかりません。


更新日:2006-06-19


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