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脱サラという実験
答えられた問い


【静かな冬の夜が明けました。私は夢で何かを問われ、どう答えようかと迷ううちに、目覚め、すっきりしない気分でした。何を--、どう--、いつ--、どこでなすべきか、と考えていたようです。目覚めた私の周りは、生きとし生けるものが暮らす自然の、麗しい夜明けでした。家の窓から覗く母なる自然は、平和で満ち足りていて、彼女の唇は何も問うてはいない、と私は感じました。私はすでに答えられた問い、つまり本当の世界、母なる自然、太陽の光の中に目覚めていました。】(第十六章「冬の池」p362より引用)

太陽の下にいるときは「自分が肯定されている」と、私は感じるのですが、ソローの文章にも同じ感覚をみます。いつもいつも、問いは既に答えられており、あとはそれに対して素直になるか、それともあらがうか、現状起こっている出来事というのは常に二つのうちのどちらかの態度であるように思います。いつも世界は明朗で明晰であり、紛糾しているのは自分の心の中だけ、おそらく、何かひとつ不必要なものを捨てたらそこから世界がはっきり見えてくるのだ、と思うのですが。それでも勿論、今まで必要だと思っていたものを捨てるというのは苦い薬を飲み込むような感覚もあります。


更新日:2006-06-28


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