新しい生き方

生涯定職に就かなかったソローの生き方

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何の為に働くのか
新しい生き方の実験


「森の生活」はソローが生きることは楽しいことに違いないと信じて
それが正しいのかどうかを実践してみた生活の実験の本です。
ソローにとって隣人達は不幸そうに見え、しかしながらそれは運命なので仕方ないことなのだと諦めたまま生きているように見えたのです。
本当にそれは仕方の無いことなのかどうか、ソローは自分の信じたことに乗っ取って試してみました。

ソローはハーバード大学を卒業したインテリです。
時々何かカキモノをして記事になったり、講演をすることもありました。
家業の鉛筆製造業では新しい技術を導入することで当時粗悪品の代名詞でさえあったアメリカの鉛筆を輸入物と変わらないまでの品質にすることに成功したというやり手でもあります。
地域を大切にし、そこに学校を作る活動もしました。
測量もできるし、農作業の名手でもあります。
独りで丸太小屋を建ててしまうのもお手のものでした。
その中のどれかを生涯の定職とすることができたでしょうが、そうしませんでした。
ソローは「地球で自分の身を養っていくのはなんらつらいことではなく楽しみ(一章p90)」と信じました。
様々なことを器用にこなす能力がありましたが多くを稼ぐ方法を考えて人生を浪費しないために、
できるだけ多く稼ぐのではなく、できるだけ少なく消費する方法を採ってみたのです。

ソローの新しい生き方への試みは
時間でも装飾でもお喋りでも食事でも無駄を全部なくすことで本当に必要なものだけをたっぷり確保すること
隣人や先人の言うことをむやみに信じるのを辞めること
物を売ることだけが人間の生き方なのだという古い生き方に惑わされないこと、でした。
常識にとらわれなければ新しい生き方ができるだろうと考えたのです。

どのようにそれを行ったのかということです。
まずお金は殆ど持っていなかったと書いています。
自分で切った木と古い小屋を買い取って解体した材料を使って家を一軒たてました。
人の真似をする為の豪華な家具はいりません、机と椅子とベッドだけおければ十分なので小さな小屋です。
よく吟味して本当に好きな場所に建てました。
これでまず安い賃貸の部屋の一年分で一生でも暮らす家が手に入ったことになります。
次に服ですが、流行を信じて隣の人と同じ服を着ることは意味がないと考え
古いものをそのまま着て、ほつれたら繕いをすることに決めました。
服装で人を判断する人の意見は意に介さないことに決めましたので
服に関する限り特別の新しい資金はいりません。
食事は質素に、安い材料でパンを作って食べることにしました。
お財布が空になって何日もパンを食べられなかったこともあると書いています。
木の実や魚や豆などの代用食を食べたのではないかと思います。
それから畑もつくりこれは自分の食事と売って現金や米と変えます。
この農作業も勿論、自分を良くするために、自分が快適と思える自分なりの方法で行います。
現金を得るためには測量士として日雇いで多少はたらきました。

そのようにして読書と自然観察と畑仕事と思索の為に自分の時間を使うことに専念し二年二ヶ月を暮らしたのです。
その後ソローは別の生活の実験を思いついたので、この森の家を後にしました。


更新日:2006-06-28


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